「子ども1人にいくらかかるの?」――家計相談の現場でも、子育て世帯から一番よく聞かれる質問でした。子ども1人を育てる教育費は、すべて公立で約1,000万円、私立中心なら2,000万円超が一つの目安です。数字だけ見ると気が遠くなりますが、金融機関で多くのご家庭の資金計画に関わってきた経験から言えるのは、教育費は「必要な時期が決まっている」ぶん、計画さえ立てれば十分間に合う支出だということです。
3人の子どもを育てる我が家も、まさにこの教育費と向き合っている真っ最中です。この記事では、幼稚園から大学までの総額の目安と、無理のない準備の進め方を、元金融機関職員・3児パパの目線で整理します。
※本記事は現時点の一般的な目安です。実際の金額は進路や地域により大きく変わります。

※本記事の費用の相場は2026年7月時点の情報にもとづいています。制度は改正される場合がありますので、最新の内容は各公式サイトをご確認ください。
幼稚園から大学まで、ざっくり総額はいくら?
| 進路パターン | 教育費の目安(子ども1人) |
|---|---|
| すべて公立 | 約1,000万円 |
| 高校まで公立・大学私立 | 約1,300万円 |
| 私立中心 | 2,000万円超 |
大きな数字に見えますが、これは18年以上かけて少しずつ発生する費用です。一度にまとまって必要になるわけではありません。「総額」で身構えるのではなく、「年単位・時期単位」で分けて考えるのが、家計を回すコツです。
「一番お金がかかる時期」を先に知っておく
教育費のピークは、多くの場合「大学進学時」です。入学金・初年度の授業料などが、短期間にまとまって必要になります。逆に言えば、それまでの十数年でコツコツ準備しておけば、このピークを乗り越えやすくなります。
3児を育てる中で実感するのは、「いつ・いくら必要か」を先に把握しておくだけで、家計の見通しが大きく変わるということです。漠然とした不安は、時期と金額を具体化した瞬間に「準備できる計画」に変わります。
総額を見ると誰でも不安になりますが、私が実際にやっているのは毎月10万円の先取り(新NISA 5万円・特別費 3万円・現金 2万円)と、児童手当を全額そのまま積み立てること。この2つだけです。
よく「教育費と老後資金、どちらを優先すべきか」と聞かれますが、私の答えは同時進行です。教育費を優先しすぎれば自分たちの老後が不足し、老後を優先しすぎれば進学時に足りなくなる。ただし「同じ割合で積み続ける」という意味ではありません。教育費は使う時期がほぼ決まっているのに対し、老後資金は使い始めるまでが長く、働く期間を延ばすことである程度は調整できます。だから子どもの進学が近づいたら教育費の現金比率を高め、老後資金は長期運用を続ける——この使い分けです。
もうひとつ、窓口でよく見た落とし穴を。口座残高をそのまま教育費だと思わないこと。新NISAの残高が1,000万円あっても、うち500万円を老後に使う予定なら、教育費は実質500万円です。同じ口座で運用するなら、頭の中では目的を分けておく必要があります。
教育費の準備、3つの王道
- 児童手当をそのまま貯める:手をつけずに貯めれば、約200万円前後の土台になります
- 先取り貯蓄:毎月一定額を、生活費とは別の口座へ自動で振り分ける
- 新NISAで長期運用:使うまで10年以上ある乳幼児期は、運用も選択肢に
窓口でも、児童手当を生活費に混ぜて使ってしまい「気づいたら残っていなかった」という方を多く見てきました。手当は最初から別口座に分けておくだけで、立派な教育費の土台になります。一方で、数年以内に使う予定のお金は、値動きのある運用ではなく、確実に貯められる方法で確保するのが基本です。
月いくら積み立てれば間に合う?
| 準備期間 | 月々の積立目安(大学費用約400万円の場合) |
|---|---|
| 18年(0歳から) | 約1.9万円/月 |
| 15年(3歳から) | 約2.2万円/月 |
| 10年(8歳から) | 約3.3万円/月 |
※児童手当を活用すれば、自己負担はさらに軽くなります。表のとおり、早く始めるほど月々の負担は軽くなるのがポイント。「児童手当+月1万円台の積立」でも、大学費用の土台は十分つくれます。



よくある質問
Q. 大学進学の費用は、いつまでに準備しておけばいいですか?
ゴールを「18歳」と考えている方が多いのですが、実際には受験料や入学金の支払いは高校3年生の秋から冬に集中します。合格発表から入学金の納入期限までは1〜2週間ということも珍しくありません。準備の期限は「17歳の秋」と考えておくと、直前で慌てずに済みます。
Q. 学資保険には入ったほうがいいですか?
学資保険には、契約者に万一のことがあった場合にその後の保険料が免除されるという保障機能があります。一方で、途中で解約すると受け取れる額が払込額を下回ることがあります。保障は保険で、資産形成は別の手段で、と役割を分けて考える方法もあります。どちらが正解ということではなく、ご家庭が「途中で引き出す可能性があるか」で判断が変わります。
Q. 奨学金を利用するのは避けたほうがいいですか?
貸与型の奨学金は、返済義務を負うのは保護者ではなく子ども自身です。社会に出た直後から返済が始まる点は理解しておく必要があります。ただし返済不要の給付型奨学金や授業料減免の制度もあり、世帯収入などの要件を満たせば利用できます。避けるかどうかを考える前に、まずどの制度の対象になるのかを調べることをおすすめします。
まとめ
- 教育費の総額目安は、公立中心で約1,000万円、私立中心で2,000万円超
- 費用は18年以上に分散するため、時期と金額で分けて考える
- ピークは大学進学時、それまでにコツコツ準備するのが王道
- 児童手当を別口座に分け、先取り貯蓄・新NISAで土台をつくる
- 準備は早く始めるほど月々の負担が軽くなる
教育費は金額こそ大きいものの、「必要な時期が決まっている」という点で、実は準備しやすい支出です。まずは進路イメージから総額の目安をつかみ、児童手当や先取り貯蓄で土台づくりを始めてみてください。
📚 出典・参考:こども家庭庁「児童手当」/金融庁「NISA特設ウェブサイト」。制度・金額は改正される場合があります。最新の内容は各公式サイトをご確認ください。
参考にした公的機関などの情報
※本記事は2026年7月時点の一般的な情報提供であり、特定の金融商品・サービスを勧めるものではありません。制度・税制・金利は変更される場合があります。実際のご判断にあたっては、公式情報のご確認のうえ、必要に応じて金融機関やファイナンシャルプランナーなど専門家にご相談ください。


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