初めてのマイホーム選びは、人生で一番大きな買い物だけに不安もひとしおですよね。実は私自身はいまも賃貸暮らしで、この先も購入しない方針の賃貸派です。一方、前職の金融機関では住宅ローンのご相談を数多く受けてきました。買わない側と貸す側、その両方の立場から言えるのは、共働きの子育て世帯ほど「いくらまで借りられるか」で考えてしまい、後の返済で苦しくなるケースが多いということです。
成功のコツは、「いくら借りられるか」ではなく「月々いくらなら無理なく返せるか」から逆算すること。そのうえで頭金・金利・立地・タイミングをセットで考えます。この記事では、30代共働き夫婦が初めての住宅購入で押さえるべきポイントを、「住宅ローン相談を受けてきた元金融機関職員」×「賃貸派の3児パパ」の目線で整理します。

※本記事の制度・相場は2026年7月時点の一般的な情報です。住宅ローン控除などの条件は年度・物件により異なるため、最新情報は各金融機関・自治体の公式情報をご確認ください。
①まず知っておこう:住宅ローンの基本
家を買うとき、多くの人が「住宅ローン」を利用します。住宅ローンとは、家を担保に銀行などからお金を借り、数十年かけて返していく仕組みです。基本的なポイントは次のとおりです。
- 返済期間は最長35〜40年が一般的
- 金利のタイプは「固定金利」と「変動金利」
- 月々の支払いには「元金(借りたお金)」+「利息」が含まれる
大切なのは、「いくら借りられるか」ではなく「月々いくらなら無理なく返せるか」から逆算して借入額を決めることです。審査では年収・勤務先・勤続年数などがチェックされ、基準は金融機関ごとに異なります。
②金融機関の窓口で見てきた「借りすぎ」の失敗パターン
前職で住宅ローンのご相談を受けていた頃、お客様によく聞かれたのは「うちの年収だと、いくらまで借りられますか?」という質問でした。気持ちはよく分かるのですが、実はこの聞き方自体に落とし穴があるんですよね。
審査上の「借りられる額」は、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)などから機械的に計算されます。ところがこの上限いっぱいで借りてしまうと、次のような形で家計が苦しくなるケースを何度も見てきました。
- 夫婦2人分の収入を前提に組んだのに、産休・育休で一時的に収入が減った
- 子どもの進学で教育費が増える時期と、返済がきつい時期が重なった
- ボーナス払いに頼りすぎて、賞与が減った年に資金繰りに窮した
「借りられる額」と「無理なく返せる額」はまったくの別物です。共働き世帯は特に、どちらかの収入が一時的に減っても回る返済額を基準にするのが安全です。
③頭金はいくら必要?「ゼロでも買えるが注意」
住宅購入では、物件価格の一部を「頭金」として最初に支払うのが一般的です。目安は物件価格の10〜20%。たとえば3,000万円の家なら300〜600万円が目安になります。
最近は頭金ゼロでもローンを組めるケースがありますが、借入額が増える=利息が膨らむ=月々の返済負担が重くなるというデメリットがあります。実際、住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」を見ると、購入資金に対する手持金(頭金)の割合は物件タイプによって大きく差があり、頭金の準備状況が資金計画の余裕を左右していることが分かります。家計に余裕を持たせるためにも、できる範囲で頭金を用意することをおすすめします。
④固定金利と変動金利、どっちがいい?
| 項目 | 固定金利 | 変動金利 |
|---|---|---|
| 金利 | 返済中ずっと一定 | 半年ごとに見直し |
| 月々の返済額 | 一定で安心 | 低いがリスクあり |
| 金利水準 | やや高め | 低め(2026年7月時点) |
子育て世代で長期の安心感を求める方には固定金利が候補になります。一方で、数年後に収入が増える見込みがある方や、短期で返済していきたい方には変動金利も選択肢になります。全期間固定型の代表格である【フラット35】(住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する住宅ローン)を含め、複数の金融機関でシミュレーションして比べてみましょう。くわしい違いと選び方は、次の記事で徹底解説しています。


⑤土地選びは「暮らしやすさ」重視で
土地選びは、ある意味「家を建てること」以上に重要です。子育て世代がチェックしておきたいポイントは次のとおりです。
- 保育園や小学校が近いか
- 通勤しやすい場所か(車移動を前提に)
- スーパー・病院・ドラッグストアが近いか
- 水害・地盤のリスク(ハザードマップで確認)
- 日当たり・風通し・交通量
一見、安くて広い土地でも、アクセスが悪いと子育てや通勤が大変になります。私もいま賃貸で「保育園と職場への動線」のありがたみを毎日実感しているので、物件情報を見るときはまず地図から確認するようにしています。価格だけでなく、生活環境とのバランスを大切にしましょう。
⑥住宅購入の「ベストタイミング」と、賃貸派のわが家が「もし買うなら」の考え方
家を買うタイミングに絶対の正解はありませんが、共働き世帯にとっては次の3つが目安になります。
- 子どもが小学校に入る前:転校の心配が少なく、長く住みやすい
- 頭金や諸費用をある程度貯められたとき:無理なローンを避けられる
- 夫婦の働き方・ライフプランがある程度見えてきた頃:転職・介護など将来設計も視野に入れられる
ここで、わが家の「予算の決め方」も参考までに共有します。これはあくまで賃貸派のわが家が「もし買うなら」と置いてみた仮定の試算ですが、手順は次のとおりです。
①いまの家賃を基準に「住居費として毎月出せる上限」を決める → ②そこから固定資産税・修繕積立の想定分(月1〜2万円)を差し引いた額を「毎月返済額の上限」とする → ③その返済額から逆算して借入額の上限を出す → ④物件価格=借入上限+用意できる頭金、と考える。
なお、新築住宅などを購入した場合、一定期間、住宅ローン残高の0.7%が所得税・住民税から控除される制度があります(2026年7月時点。控除率・期間・対象は年度や住宅性能で異なります)。タイミングを考えるときは、この制度の有無もあわせて確認しておきましょう。
⑦家づくりのステップをざっくり確認
- 家計を見直し、無理のない予算を設定する
- 住宅ローンの仮審査(事前審査)を受ける
- 土地探し(または分譲地選び)
- 工務店・ハウスメーカー選び、間取りの検討
- 本審査・契約手続き
- 着工・完成
- 引っ越し・住宅ローンの支払いスタート
新築と中古で迷っている方は、比較の考え方をこちらの記事にまとめています。


まとめ:焦らず、でも前向きにマイホーム計画を
マイホーム購入は、人生の大きなターニングポイントです。最初はわからないことばかりでも、少しずつ学びながら自分たちに合った選択をしていけば大丈夫。特に子育て中の家庭では、「安心して暮らせる家・エリア」を選ぶことで日々のストレスがぐっと減ります。



出典・参考(公的機関の情報)
- 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」(購入資金・頭金の実態データ)
- 【フラット35】公式サイト(住宅金融支援機構)
- 国税庁「No.1213 住宅借入金等特別控除」
※本記事は2026年7月時点の一般的な情報提供であり、特定の金融機関・商品を勧めるものではありません。制度・金利は変更される場合があります。具体的なご判断は、金融機関やファイナンシャルプランナーなど専門家にご相談ください。

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