【窓口Q&A】住宅ローンの審査に落ちる理由は?申し込む前の確認

【窓口Q&A】住宅ローンの審査に落ちる理由は?申し込む前の確認 住まい・住宅ローン

「来月、住宅ローンの事前審査を申し込む予定です。落ちたらどうしようと不安で……審査では、どこを見られるんですか?」

住宅ローンの相談では、こうした声をよく聞きます(よくある相談をもとにした例です)。事前審査(借りたい額を借りられそうかを、本申込みの前に確かめる審査)の結果しだいで、家探しの計画は大きく変わります。

この記事では、審査で見られる項目と落ちるよくある理由、申し込む前に確かめたいことを、金融機関で働く3児パパの窓口目線でまとめます。

とくさん
とくさん
審査の基準は金融機関ごとに違い、公表されていません。でも、多くの金融機関が見ている項目は国の調査でわかります。そこから整理しましょう。

この記事の結論

① 9割以上の金融機関が見ているのは、年齢(完済時・借入時)・健康状態(団信)・年収・勤続年数・担保評価・返済負担率の7項目です
② 落ちる理由で見落としやすいのは、車のローンやスマホ本体の分割払いなど「ほかの借入と、その支払いの記録」です
③ 申し込む前に、ほかの借入の合計と信用情報(ローンやクレジットの契約・支払いの記録)を確かめ、通らなかったときも手がかりを確かめてから動きます

金融機関は審査で何を見ている?国の調査の最新データ

国土交通省は毎年、住宅ローンを扱う金融機関に「融資を行う際に考慮する項目」をたずねています。2026年3月に公表された令和7年度の調査(回答994機関)で、9割以上の機関が挙げた項目は次の7つでした。

審査項目考慮する機関の割合かみくだくと
完済時年齢98.4%返し終わるときの年齢。上限は「80歳未満」と答えた機関がいちばん多い
借入時年齢96.2%申し込むときの年齢
健康状態96.1%団信(団体信用生命保険:借りた人が亡くなったときなどに、残りのローンが返済される保険)に入れるか。多くの機関が団信への加入を条件にしている
年収94.2%申し込む人の収入
勤続年数93.9%今の勤め先で働いている年数。「1年以上」と答えた機関がいちばん多い
担保評価91.0%買う物件の価値の見積もり
返済負担率90.9%年収に占める、すべての借入の年間返済額の割合

このほか、「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」を見る機関も72.5%ありました。

住宅ローンの審査に落ちる、よくある理由

窓口でよく受ける相談

「年収は足りているはずなのに、なぜ通らなかったのか」という相談です。通らなかった理由はふつう示されませんが、国の調査の項目と照らすと、見落としやすいのはほかの借入の合計と、勤続年数・転職の予定の2つです。窓口では、スマホ本体の分割払いを借入だと思っていなかった方や、申込書の「ほかの借入」の欄に車のローンやカードの分割払いを書き漏らしてしまう方も見かけます。年収だけを見て大丈夫だと思っていても、こうした返済を合わせると、負担が思ったより重くなっていることがあります。

落ちる理由は、上の審査項目のどこかに関わっていると考えられます。よくある形を表にしました。

よくある理由起きやすい例
ほかの借入で返済負担率が上がる車のローン、カードの分割払い・リボ払い、キャッシング
支払いの遅れが信用情報に残っているカードやスマホ本体の分割払いの支払いが遅れた
勤続年数が短い・転職の予定がある転職して間もない、申込みの前後に転職する
団信に入れない持病や通院歴があり、健康状態の告知で引っかかる
担保評価や年齢が合わない物件の価値の見積もりより借りたい額が大きい、完済時の年齢が上限を超える

ほかの借入がどこまで含まれるかは、フラット35(全期間固定金利の住宅ローン)の条件がわかりやすい例です。自動車ローンや教育ローン、カードローン(クレジットカードによるキャッシング、商品の分割払いやリボ払いによる購入を含む)も総返済負担率の計算に入れると明記されていて、基準は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です(基準を満たしても、融資を受けられるとは限りません)。車のローンを含めた家計の見直しは、車の維持費とローンの見直し方にまとめています。

スマホ本体の分割払いも、ほかの借入の一つです。信用情報機関のCICによると、スマートフォンを分割払いで買うとき、携帯電話会社は信用情報を確認しています。契約後の支払いに延滞や未払いがあると、その事実も支払状況として登録され、CICのクレジット情報は契約期間中と契約終了後5年間保有されます。

奨学金の返還も同じように見ておきたいところです。日本学生支援機構は、返還中に延滞が3か月以上になると個人信用情報機関に登録し、登録されると住宅ローンなどが組めなくなる場合があると案内しています(登録された情報は、返還が終わってから5年後に削除)。返還中の奨学金を毎月の返済としてどう数えるかは、申し込む金融機関に確かめておくと安心です。

申し込む前に自分で確かめたい4つのこと

  1. ほかの借入の毎月の返済額を合計する:ほかのローンの返済予定表や、カード・スマホの分割払いの利用明細を手元に用意して書き出します。返済負担率は「すべての借入の年間返済額÷年収」で出し、年収は源泉徴収票などで額面を確かめます。仮の例では、年収500万円で住宅ローンの年間返済が140万円なら28%ですが、車のローンが月3万円(年36万円)あると35.2%になります。年収ごとの目安は、住宅ローンはいくらまで借りていい?で計算できます。
  2. 自分の信用情報を開示して確かめる:CIC、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センターの3つで、本人が開示を申し込めます。マイナンバーカードを使ってスマホなどから申し込める機関もあります。申し込む予定日から逆算して早めに確かめ、方法と手数料は各機関の公式サイトで確認してください(記事の最後の出典にリンクがあります)。
  3. 勤続年数と転職の予定を整理する:申込みの前後に転職の予定があるなら、申し込む前に金融機関に伝えて相談しておきます。
  4. 頭金と諸費用、団信の告知を確かめる:物件の価格や諸費用がわかる資料をそろえ、頭金をどれくらい用意できるかを諸費用を含めた総予算から考えます。団信の告知でたずねられる内容も、早めに確かめておくと安心です。

窓口では、年収がわかる書類・ほかの借入の明細・物件の資料の3つがそろっていると、話が早く進みます。

わが家の場合

家を買うかどうか考えたとき、わが家も借入の目安と返済負担率を自分で試算しました。そのうえで、いまは賃貸を選んでいます。カードやスマホの支払いは、口座振替や家計簿アプリで遅れないように管理していて、家計簿アプリは夫婦で毎日見ています。

事前審査に通らなかったときの考え方

通らなかった理由の細かい内訳は、公表されないのが一般的です。CICも、クレジット会社などは独自の審査基準に基づいて総合的に判断しており、審査をしないCICでは否決の理由に答えられない、と案内しています。

すぐに別の金融機関へ申し込み直す方もいますが、私はまず手がかりを確かめる派です。どこで引っかかったのかを確かめないまま申し込み直しても、同じところで止まれば結果は変わらないからです。手がかりは、ほかの借入の整理と、信用情報の開示で探します。ただし、開示でわかるのは登録されている契約・支払い・申込みの記録です。記録に気になる点が見つからなくても、ほかの理由で通らないことはあります。

短い期間にいくつも申し込む前に

申し込んだ記録は信用情報機関に残ります。CICでは申込情報を照会日から6か月間、全国銀行個人信用情報センターでは照会記録を、会員への提供は6か月を超えない期間保有しています。その記録をどう受け止めるかは各社の判断で、公表されていません。手がかりを確かめてから申込み先を絞るほうが、落ち着いて進められます。

手がかりが見つかったら、借入額・返済期間・頭金を見直します。そのうえで、フラット35を含め、商品ごとの条件を比べてみる方法もあります。

とくさん
とくさん
一度通らなかったからといって、家の計画をすべてあきらめる必要はありません。借入額や時期を見直しながら、確かめられることから一つずつ進めましょう。

まとめ

住宅ローンの審査では、年齢・健康状態(団信)・年収・勤続年数・担保評価・返済負担率が多くの金融機関で見られています。落ちる理由で見落としやすいのは、ほかの借入とその支払いの記録です。通らなかったときも、手がかりを確かめてから動きましょう。

最初の一歩は、ほかの借入の毎月の返済額を書き出して、返済負担率を一度計算してみることです。年収ごとの目安は「住宅ローンはいくらまで借りていい?」で確かめられます。

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※この記事は筆者個人の見解で、勤務先の見解や審査基準ではありません。相談の例は、よくある相談をもとに再構成したもので、特定の方の事例ではありません。審査の基準は金融機関によって異なり、この記事の内容は審査の結果を保証するものではありません。実際の条件は、申し込む金融機関に確認してください。

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とくさん
金融機関で働く3児パパFP3級・証券外務員一種

窓口で受けてきた相談と、わが家の家計の実体験から書いています。

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