住まいの2本目は、いま最も不安の声が多い「変動金利が上がったらどうする?」。2026年の金利上昇局面で、慌てないための備えを整理します。

2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、2024〜2025年にかけて段階的な利上げが進み、金利は緩やかな上昇局面にあります(2026年7月時点)。2026年春には多くの銀行が変動金利を引き上げ、「変動から固定へ借り換えるべき?」「繰上返済したほうがいい?」という声が増えています。まずは落ち着いて、ご自身への影響を確認しましょう。
※この記事は、変動金利で借りている・借りる予定で、金利上昇が不安な方に向けた内容です。
私は前職の金融機関で住宅ローンに携わり、金利が動く局面のご相談も受けてきました。その経験から言うと、金利が上がる局面でいちばん怖いのは、慌てて判断してしまうことです。そして私自身は、この先もマイホームは買わず賃貸を続けるつもりですが、融資の相談を数多く受けてきた立場として、この「金利が上がったらどうするか」は人ごとには思えません。大切なのは、まず「自分の返済がどれだけ増えるのか」を具体的な数字で把握することです。
金利が1%上がると返済はどれだけ増える?【独自試算】
「変動金利が上がると怖い」と言っても、具体的な金額が分からないと対処できません。借入残高別に、金利が1%上昇したときに増える年間の利息負担をざっくり試算しました(残債に対する単純計算)。
| ローン残高 | 金利+0.5% | 金利+1.0% | 金利+1.5% |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 年+5万円 | 年+10万円 | 年+15万円 |
| 2,000万円 | 年+10万円 | 年+20万円 | 年+30万円 |
| 3,000万円 | 年+15万円 | 年+30万円 | 年+45万円 |
| 4,000万円 | 年+20万円 | 年+40万円 | 年+60万円 |
※残高に金利差を掛けた概算で、実際は返済が進むほど利息は減ります。あくまで影響の大きさをつかむための目安です。残高が大きい人ほど金利上昇の影響が大きいと分かります。まずは自分の残高で「+1%なら年いくら」を把握し、その額を許容できるかで対策を判断しましょう。
- 変動金利が上がるとどうなるのか(5年ルール・125%ルール)
- 慌てて固定に借り換えるべきか
- 金利上昇に今からできる備え
まず知っておきたい「5年ルール・125%ルール」
多くの銀行の変動金利型には、返済額が急に跳ね上がらないための仕組みがあります。
返済額が据え置かれても、その間に利息は増えています。返済額に占める利息の割合が増え、元金が思うように減らないことも。さらに、一部のネット銀行はこのルールを採用していません。自分のローンがどうかを必ず確認しましょう。
慌てて固定に借り換えるべき?
固定金利は安心感がある一方、足元では変動より金利水準がかなり高めです。変動と固定の差を、将来の金利上昇がどこまで埋めるか——ここを冷静に見る必要があります。
これから借りる人はどう選ぶ?(元金融機関職員の考え方)
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」を見ると、近年は利用者の多くが変動金利型を選んでいる実態が分かります。ただし「みんなが変動だから変動」で決めるのは危険です。
私自身は賃貸派で住宅ローンを組む予定はありませんが、「もし買うなら」を固定・変動の両方で試算したうえで、こう考えます——変動を選ぶなら“金利が2%上がっても返済負担率が目安内に収まる借入額”まで、そこを超えるなら固定で確実性を買う。窓口で相談を受けていた頃も、「上がったら困る借入額で変動を選ぶ」ことがいちばんの危険パターンでした。金利タイプは商品ではなく、借入額とセットで選ぶものなんですよね。
金利上昇に今からできる備え
- 返済額が増えても耐えられるよう、家計に余裕(固定費の削減)をつくる
- 余裕資金があるなら、繰上返済で元金を減らしておく
- 自分のローンの金利タイプ・適用ルールを把握しておく
- 金利の見直し通知を見落とさない
この1週間で固定費を削り、守りを固めてきたことが、そのまま金利上昇への備えになります。
金利が上がる局面で、実際に慌てる人と落ち着いている人は、正直、ローンを組んだ時点でほぼ分かれています。
慌てる人…返済比率ギリギリで借りた方(とくに夫婦それぞれで組むペアローン)。もう一つは、事業主で事業の運転資金と家計のお金が一緒くたになっているケース。
大丈夫な人…返済比率を抑えて借りている方/ある程度需要のある(売れる=リセールの利く)物件を持っている方/共働きでも“片方の収入だけで生活が回る”設計にしている方。
備えを考えるとき、私は2つの目線で見ます。
- 金融機関目線=返済能力:毎月いくら余るか/ボーナスに依存していないか/教育費が増えるのはいつか/車の買い替え/老後資金。
- FP目線=家計の体力:金利が上がっても、貯蓄を続けられる体制なら基本は大丈夫。
そのうえで、私が勧める備えは優先順にこの7つです。
- 生活防衛資金を厚くする
- 繰上返済を急がない
- 家計の固定費を見直す
- 新NISAとのバランスを取る
- 借り換えは“最後の手段”として考える
- 金融機関へ早めに相談する
- 収入を増やす(本業・副業)
※金利や制度の見通しは不確実です。最終的な判断は、ご自身の家計・返済状況に合わせて行ってください。
よくある質問
Q. まず何をすればいい?
自分のローンが「変動か固定か」「5年・125%ルールがあるか」を確認し、金利が1〜2%上がった場合の返済額をシミュレーションしてみましょう。当ブログの返済シミュレーターでも試せます。
Q. 繰上返済と借り換え、どっちが効く?
状況によります。繰上返済は手元資金を使う代わりに利息を確実に減らせます。借り換えは金利差が大きいときに効果的です。関連記事もどうぞ。




まとめ
次のDay6からは「制度をフル活用」する2日間。トップは、2025年に大きくルールが変わったふるさと納税。改正後の今、損しない使い方を解説します。



出典・参考(公的機関)
本記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な情報提供です。金利の動向や各金融機関のルールは変わります。借り換え・繰上返済・金利タイプ選択の判断は、最新の条件を各金融機関でご確認のうえ、自己責任でお願いします。必要に応じて、各金融機関やファイナンシャル・プランナーなどの専門家にご相談ください。


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