電気料金の見直しポイント5つ|ガス代も我慢せず下げる順番

電気料金の見直しポイント5つ|ガス代も我慢せず下げる順番 節約・家計管理
お金まるごと見直し1週間|Day2(固定費を削る)

固定費の見直しの2つ目は「電気・ガス代」です。生活の質を落とさずに下げる順番を、検針票の見方から整理します。

「電気代、また上がってる…。エアコンを我慢するしかないの?」。検針票やアプリで請求額を見て、そう感じたことはありませんか。総務省の家計調査では、2025年の二人以上の世帯の電気代は1か月平均13,219円で、前の年より10.1%(名目)増えています。

とはいえ、子どもがいる家庭で冷暖房を我慢すると、体調に響きます。この記事では、電気料金を下げる見直しのポイントを5つに分けて、どこから手を付けるかの順番と、切り替える前に確かめたい注意点をまとめます。子ども3人の5人家族であるわが家の光熱費の実額と、まだ見直せていないところも正直に書きます。

とくさん
とくさん
我慢の節約は長続きしません。まずは検針票で、いまの契約の中身を見るところから始めましょう。

この記事の結論

① まず検針票(またはマイページ)で、契約プラン名・契約アンペア・使用量を確かめる
② 効果が続くのは「契約」の見直し(アンペア・料金プラン・会社)。使い方の工夫はそのあとに
③ 切り替える前に、市場連動型かどうか・解約金・セット割の条件を確かめ、合計の金額で比べる

電気料金は4つでできている|検針票で見るところ

見直しの前に、請求額が何でできているかを押さえておきます。資源エネルギー庁の説明では、月々の電気料金は、契約の容量で決まる「基本料金」と、使った量に応じた「電力量料金」に、「再エネ賦課金」を加えた合計です。電力量料金には、燃料の価格に合わせて「燃料費調整額」が足されたり差し引かれたりします。

項目中身自分で変えられるか
基本料金契約アンペア(契約容量)で決まる、毎月決まった額。プランによっては、基本料金の代わりに「最低料金」がある◯ アンペアやプランを変えると変わる
電力量料金使った電気の量(kWh)×単価。大手電力会社の従量電灯などでは、使う量が多いほど単価が上がる3段階の料金◯ プラン・会社・使い方で変わる
燃料費調整額原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の輸入価格(3〜5か月前の平均)に合わせて、毎月自動で上下する△ 単価は変えられない。上限があるかどうかはプランで違う
再エネ賦課金使った量×国が毎年度決める単価。2026年度は1kWhあたり4.18円× 単価は変えられない(変えられるのは使う量だけ)

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの電気を買い取る費用を、電気を使う人が負担するしくみです。2026年度の単価は1kWhあたり4.18円で、2026年5月の検針分から2027年4月の検針分まで使われます(経済産業省)。1か月に400kWh使う家庭なら月1,672円で、2025年度の3.98円と比べると月80円の負担増です(400kWhで計算)。

検針票(マイページ)で見るところ

・契約プラン名(「従量電灯B」など)
・契約アンペア(「30A」など)や契約容量
・その月の使用量(kWh)
・燃料費調整額と再エネ賦課金の金額
・お客さま番号と供給地点特定番号(22桁):会社を切り替えるときに使います
紙の検針票が届かない契約では、電力会社のマイページで見られることがあります。

窓口で感じること

金融機関の窓口で家計の話をしていても、光熱費について相談を受けることは、ほとんどありません。ここからは私の考えですが、光熱費は毎月口座から引き落とされるので、金額は目に入っても、契約の中身まで見直すきっかけが少ないのだと思います。年に一度、検針票の契約の欄を見るだけでも、見直しの入り口になると考えています。

電気料金を下げる見直しのポイント5つ

検針票で契約の中身がわかったら、次の5つを上から順に確かめます。上の3つは契約の見直しで、一度手続きをすれば、そのあとは何もしなくても効果が続くのが強みです。

ポイント見直すこと気をつけたいこと
① 契約アンペア同時に使える電気の上限を下げて、基本料金を下げる基本料金が契約アンペアで決まるプランだけ。下げすぎるとブレーカーが落ちやすい
② 料金プラン今の会社のまま、使い方に合うプランに変える夜が安いプランなど、時間帯で単価が変わるものは昼の単価も見る
③ 電力会社・ガス会社自由化で選べる契約先を比べて、切り替える市場連動型か、解約金・契約期間があるか
④ セット割・支払い方法電気とガス、通信などとのセット割や、支払い方法による割引割引の条件と期間を見て、合計の金額で比べる
⑤ 使い方エアコン・お風呂・シャワーの使い方を工夫する冷暖房の我慢は体調に響くので、無理をしない

① 契約アンペアは「基本料金制」のプランだけ

契約アンペアは、家で同時に使える電気の量の上限です。基本料金が契約アンペアで決まるプラン(基本料金制)なら、アンペアを下げると毎月の基本料金が下がります。ただし、料金の決め方は地域やプランによって違い、基本料金がなく、使った量で料金が決まって一定の量までは決まった「最低料金」がかかるプラン(最低料金制)では、この方法は使えません。自分の契約がどちらかは、検針票のプラン名と、契約している会社の料金表で確かめます。

下げすぎると、エアコンと電子レンジ、ドライヤーを同時に使ったときにブレーカーが落ちやすくなります。朝や夜に家電の使用が重なる家庭は、下げる前に、ふだん同時に使う家電を書き出してみると安心です。

②③ 料金プランの変更と、会社の切り替え

料金プランは、今の会社のままでも変えられます。夜に使う量が多いなど、使い方に合うプランがあれば、それだけで下がることがあります。会社を切り替える場合、電力・ガス取引監視等委員会によると、手続きは新しく契約したい会社に申し込むだけで、今の会社への解約の連絡は多くの場合いりません。

  1. 番号を確かめる:検針票かマイページで、お客さま番号と供給地点特定番号を確かめる
  2. 同じ条件で試算する:候補の会社で、自分の使用量を入れて、燃料費調整額と再エネ賦課金も含めた合計で比べる
  3. 申し込む:新しい会社に、電話やインターネットで申し込む。解約金がかかる契約かどうかは、先に確かめておく

切り替えても、電気は今ある送配電網を通って届くので、新しく電線を引くことはなく、停電の起きやすさなど電気の品質も変わりません(資源エネルギー庁)。

試算は、条件をそろえて見るのがポイントです。2026年2月、電力・ガス取引監視等委員会は、燃料費調整額を含めずに比べて自社を安く見せたり、試算の条件を書いていなかったりする料金シミュレーションが、複数の電力会社のサイトで見つかったとして、注意を呼びかけています。

④ セット割と支払い方法

電気とガスをまとめる、スマホやネット回線とまとめる、といったセット割は、条件に合えば割引になります。ただ、割引の対象期間が決まっていることもあり、単体で選んだほうが安い組み合わせもありえます。割引の額ではなく、電気・ガス・通信の合計の金額で比べます。支払い方法によって割引やポイントがつく会社もあり、わが家が光熱費で変えたのは、今のところこの支払い方法だけです。

切り替える前に確かめたいこと

切り替える前に確かめたいこと

  • 市場連動型のプランか:電気の卸市場の価格に合わせて単価が変わるプランです。国民生活センターには、月3万円ほどだった電気料金が、ある月に20万円の請求になったという事業者の相談が寄せられています(2021年)。「市場連動型」と書かれていなくても、「調整費」などの名前で市場の価格が料金に入るプランもあります
  • 解約金と契約期間:プランによっては解約金がかかります。今の契約と、切り替え先の契約の両方で確かめます
  • 燃料費調整額に上限があるか:大手電力会社の規制料金(従量電灯など)には上限(基準の燃料価格の1.5倍まで)がありますが、上限がないプランもあります。上限がないと、燃料の価格が大きく上がったとき、そのぶん料金も上がります
  • 訪問・電話の勧誘:「このアパート全体の電力プランが変更になる」とうそを言われて契約した、という相談もあります(国民生活センター、2026年)。検針票はすぐに見せず、いらなければはっきり断ります。訪問販売や電話勧誘で契約した場合は、書面を受け取った日から8日間、クーリング・オフができます

賃貸・マンション・プロパンガスの場合

賃貸でも、電気の契約の名義が自分なら、電力会社を切り替えられます。マンション全体でまとめて電気を買っている場合は、その契約や規約で制限されることがあるので、管理組合などに確かめます(資源エネルギー庁)。

プロパンガス(LPガス)は、賃貸の集合住宅では入居したあとにガス会社を変えにくいことから、2024年の省令改正で、入居を考えている人がガス料金をたずねたら、LPガスの会社は答えることが義務になりました。2025年4月からは、新しい契約では、料金を「基本料金・従量料金・設備料金」に分けて示し、エアコンなどガスと関係のない設備の費用をガス料金に上乗せすることも禁止されています(経済産業省)。なお、国の電気・ガス料金の支援は、2026年7〜9月使用分も、この冬(2026年12月〜2027年2月使用分)も、LPガスは対象外です。

わが家の光熱費と、見直しの順番

わが家は子ども3人の5人家族で、ガスは都市ガスです。電気とガスを合わせた光熱費は、季節によって次のくらいです。

わが家の場合

時期電気+ガス代(わが家)主な要因
春・秋(4〜5月・10〜11月)約23,000〜26,000円冷暖房ほぼ不要
夏(7〜9月)約30,000〜34,000円エアコン稼働
冬(12〜2月)約34,000〜38,000円暖房・給湯の負担増
年間平均約30,000円/月—

わが家が光熱費で変えたのは、支払い方法だけです。料金プランと電力会社・ガス会社は、まだ変えていません。

比べる目安として、総務省の家計調査(2025年)から、二人以上の勤労者世帯の電気代とガス代の1か月平均を並べました。

世帯の人数電気代ガス代合計
3人13,348円5,021円18,369円
4人13,618円5,002円18,620円
5人14,533円4,854円19,387円

家計調査の「ガス代」は都市ガスとプロパンガスの合計で、全国・1年間の平均です。わが家は、5人の世帯の平均より年間の平均で月1万円ほど高い計算です。地域の気候や住まいの広さ、オール電化かどうかでも大きく変わるので、平均より高いから悪いとは言えません。それでも、平均より高めの家庭ほど、契約を確かめる価値はあると私は考えています。

🗣 金融機関で働く私のホンネ
わが家の固定費削減、いちばん効いたのは光熱費ではありませんでした

先に正直に書きます。わが家で固定費削減の効果がいちばん大きかったのは、光熱費ではなく通信費でした。格安SIMへの乗り換えで月15,000円→6,000円、年間で10万円以上が、我慢をせずに浮いています。

では光熱費の見直しに意味がないかというと、そうは思いません。食費を我慢して月3,000円を削るより、固定費を一度見直して月3,000円を減らすほうが長続きする、と私は考えています。食費の節約は毎日の我慢が続きますが、固定費は手続きが終われば何もしなくていいからです。

順番としては、通信費 → 電気・ガス → 保険がおすすめです。保険の考え方は「30代に本当に必要な保険・いらない保険」にまとめています。見直したあとは、わが家では夫婦で家計簿アプリを毎日見て、固定費が増えていないかを確かめています(アプリの比較は「マネーフォワードMEとZaimを両方使ってみて、MFに一本化した理由」)。

今日からできる使い方の工夫|節約の目安を数字で

契約を見直したら、使い方も少し工夫します。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトに、1年間でどのくらい節約になるかの目安が載っています。

工夫1年間の節約の目安
エアコンの冷房の設定温度を1℃上げる約270円(2.5kW)〜約620円(4.0kW)
エアコンの暖房の設定温度を1℃下げる約490円(2.5kW)〜約1,400円(4.0kW)
エアコンのフィルターを月に1〜2回掃除する約1,170円(2.5kW)〜約1,250円(4.0kW)
お風呂の浴槽にふたをする約1,470円
家族が続けてお風呂に入る(2時間あけて追い焚きする場合と比べて)約2,940円
シャワーを1日1分短くする(4人家族)約10,030円(ガス・電気・水道)

金額は、電気1kWhあたり31円(2022年7月の目安単価)、都市ガス1㎥あたり162円(2016年度の実績)で計算された目安です。冷暖房の数字は東京の木造住宅をモデルにしているので、地域や住まいで変わります。LPガスの家庭には、ガスの金額はそのまま当てはまりません。

数字で見ると、冷暖房の設定温度より、シャワーの時間やお風呂の入り方のほうが金額は大きくなります。エアコンはフィルター掃除にとどめて、お風呂まわりで工夫するほうが、子どもがいる家庭でも続けやすいと私は思います。

2026年の電気代で変わったこと

2026年は、電気代にかかわる公的な変更がいくつかありました。請求額が変わったと感じたら、次の表と照らし合わせてみてください。

時期変わったこと
2026年1〜3月使用分国の電気・ガス料金の支援(2人以上の世帯で3か月7,300円程度の見込み)
2026年5月検針分から再エネ賦課金が1kWhあたり3.98円から4.18円に
2026年7〜9月使用分国の電気・ガス料金の支援(申請は不要で、毎月の料金から値引き。標準的な家庭で3か月5,000円程度の負担軽減)
2026年9月大手電力9社が、送配電網の利用料(託送料金)の見直しを反映して、規制料金の変更を届け出(11月1日から実施する会社もある)
2026年12月〜2027年2月使用分国の電気・ガス料金の支援(申請は不要で、毎月の料金から値引き。電気(低圧)は12月使用分が1kWhあたり1.0円、2027年1・2月使用分が4.5円)

夏の支援は9月使用分(10月検針分)で終わったので、10月・11月使用分には値引きがありません。この冬は、2026年10月29日の総理大臣の記者会見を受けて、2026年12月使用分から2027年2月使用分まで支援が行われます(資源エネルギー庁の「電気・ガス料金支援」特設サイト)。値引きの単価は、電気(低圧)が12月使用分で1kWhあたり1.0円、1・2月使用分で4.5円、都市ガスが12月使用分で1㎥あたり4.0円、1・2月使用分で18.0円です。1か月に400kWh使う家庭なら、1・2月の電気代の値引きは月1,800円です(400kWhで計算)。

「12月使用分」は、原則として12月中の検針日から1月中の検針日までに使った分を指します。一般家庭は申請の必要がなく、支援に参加している電力会社・ガス会社が、毎月の料金から使用量に応じて値引きします。参加している会社は、特設サイトの一覧で確かめられます。支援を口実に、個人情報や手数料を求める不審な電話には注意が呼びかけられています。

よくある質問

Q. ガスも電気と同じように切り替えられますか?

都市ガスも、新しく契約したいガス会社に申し込むことで切り替えられます(電力・ガス取引監視等委員会)。プロパンガスは、賃貸の集合住宅では入居したあとに会社を変えにくいので、物件を選ぶ段階で料金をたずねておくと安心です。

Q. 切り替えた会社が撤退・倒産したら、電気は止まりますか?

資源エネルギー庁によると、電力会社が倒産・撤退するときは、契約がなくなる日についての通知が届きます。その日までに新しい会社と契約すれば、そのまま電気を使えます。間に合わなくてもすぐに止まるわけではありませんが、契約がない状態が長く続くと止まることもあるので、早めに切り替え先を探します。

Q. 浮いたお金はどうすればいいですか?

毎月の引き落としが減ったぶんは、使ってしまう前に、先に貯める口座へ移しておくのがおすすめです。特集の次のテーマは、いざというときのお金(生活防衛資金)で、記事の最後の「NEXT STEP」から読めます。

とくさん
とくさん
契約の見直しは、検針票を1枚用意するところから。浮いたぶんは、次の「守り」のお金に回していきましょう。

まとめ

電気料金は、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の4つでできています。まず検針票で契約の中身を見て、契約アンペア、料金プラン、会社の切り替え、セット割・支払い方法、使い方の順に確かめていきます。切り替える前には、市場連動型かどうか、解約金、燃料費調整額の上限を確かめ、合計の金額で比べてください。使い方の工夫は、冷暖房の我慢より、お風呂やシャワーのほうが金額は大きくなります。

固定費の見直しの1つ目、スマホ代の下げ方は「格安SIMへの乗り換え手順」にまとめています。

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出典(確認日:2026-10-29)

※この記事は筆者個人の見解で、勤務先の見解ではありません。料金・制度は2026年10月29日時点(この冬の支援は2026年11月4日時点)の公的機関の情報にもとづくもので、今後変わることがあります。特定の電力会社・ガス会社やプランをすすめるものではありません。切り替えの前に、各社の最新の料金・条件を公式サイトで確かめてください。省エネの金額は資源エネルギー庁の前提の単価で計算された目安で、ご家庭によって変わります。

とくさん
WRITTEN BY
とくさん
金融機関で働く3児パパFP3級・証券外務員一種

窓口で受けてきた相談と、わが家の家計の実体験から書いています。

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