「銀行は〇〇万円まで貸せます、と言ってくれた。でも、本当にそこまで借りて大丈夫……?」
マイホームを考え始めると、必ずぶつかる悩みですよね。先に結論をお伝えすると、「借りられる額」と「無理なく返せる額」は別物です。この差を知らないまま上限いっぱいまで借りてしまうと、入居後の家計がじわじわ苦しくなってしまいます。
この記事では、金融機関に勤めていた経験と公的データをもとに、次のことが分かります。
- みんなが実際に「年収の何倍」を借りているのか(公的データ)
- 金融機関が必ず見る「返済負担率」の基準
- 無理なく返すための、わが家なりの上限の決め方
「借りられる額」と「返せる額」は、別物です
まず押さえておきたいのが、金融機関の審査が出す上限額は「貸せる額」であって、「あなたがゆとりを持って返せる額」ではないということです。
審査は、あくまで「貸し倒れにならない範囲か」を見ています。一方で、毎月の家計にどれだけ余裕が残るかは、家族構成やこれからの教育費など、その家ごとの事情によって大きく変わります。だからこそ、審査の上限を「借りていい額」と勘違いしないことが、後悔しないための第一歩なんですよね。
審査の上限は「銀行が貸せる額」。あなたが「ゆとりを持って返せる額」とは一致しません。まずこの2つを分けて考えましょう。
公的データで見る「みんなはいくら借りている?」
判断の出発点として、まずは実態を知っておきましょう。住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」によると、利用者の平均世帯年収は669万円。住宅の所要資金を世帯年収で割った「年収倍率」は、住宅の種類別に次のようになっています。
- 土地付注文住宅:7.5倍
- マンション:7.0倍
- 注文住宅:6.9倍
- 建売住宅:6.7倍
- 中古マンション:5.5倍
- 中古戸建:5.3倍
全国平均でも、年収の5〜7倍台の物件を購入しているのが実態です。
年収倍率は「平均的にこのくらい借りている」という実態であって、「これだけ借りても安全」という意味ではありません。地価の高い都市部ほど倍率は上がりやすく、平均に引っ張られて借りすぎないことが大切です。
上限の決め方① 金融機関の基準「返済負担率」
金融機関が審査で必ず見るのが「返済負担率(返済比率)」です。これは、年収に占める“すべての借入”の年間返済額の割合のこと。代表的なフラット35では、次の基準が公表されています。
計算式:すべての借入の年間返済額 ÷ 年収 × 100 = 総返済負担率(%)
ここでのポイントは2つ。年収は手取りではなく「額面」で見ること、そして住宅ローン以外の自動車ローンやカードローンなども合算されることです(出典:フラット35公式サイト「年収による借入額などの制限はありますか」)。
たとえば年収500万円なら、35%で年間175万円(毎月およそ14.5万円)までが基準上の上限という計算になります。なお民間の金融機関では、年収帯ごとに30〜40%と細かく基準を設けているケースが多く、その基準は各社で異なり、公表されていないのが一般的です。
これはあくまで「審査を通る上限」です。上限ギリギリで借りると、子どもの教育費や金利の上昇が重なったときに、家計が一気に苦しくなります。
上限の決め方② 無理なく返せる「わが家の上限」
では、無理なく返すにはどの水準に抑えればいいのか。現場で多くの家計を見てきた経験からの、実務的な目安がこちらです。
とくに共働きのご家庭は、どちらかの収入が一時的に減る時期(産休・育休・転職など)を必ず想定に入れておくと安心です。わが家も、妻の働き方が変わる可能性を見込んで、審査上限よりも一段低い金額で組みました。
ペアローンで二人の上限をフルに使う。一見たくさん借りられますが、どちらかが働けなくなると、返済が一気に重くのしかかります。
「片方の収入だけでもなんとか返せる範囲」に収める。借入額は多少下がっても、家計の安全度は格段に上がります。
ここで示しているのは、あくまで一般的な目安です。最終的な借入額は、ご自身の家計とライフプランに合わせて、自己責任でご判断ください。迷ったときは、各金融機関やファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談するのが確実です。
まずは「わが家の数字」を出してみよう
ここまでの目安は、自分の年収・金利・返済期間に当てはめてみると、ぐっと現実的になります。当ブログの無料シミュレーターなら、毎月の返済額・総利息はもちろん、繰上返済の効果までその場で確認できます。
よくある質問
Q. 頭金(自己資金)は必要ですか?
必須ではありませんが、自己資金を入れるほど借入額と総利息を抑えられます。フラット35では、融資率(物件価格に対する借入の割合)が9割以下だと金利が有利になる場合もあります。
Q. ボーナス返済は使うべき?
毎月の返済を軽くできる一方、ボーナスが減ったときのリスクがあります。使うとしても、割合は控えめにしておくのが無難です。
Q. 借りた後に金利や家計が変わったら?
金利タイプの選び方や、借り換え・繰上返済の判断は、別記事でくわしく解説しています。あわせてどうぞ。



まとめ
出典・参考(公的機関)
本記事の数値は2026年6月時点で確認できる最新の公表値をもとにしています。制度・金利・審査基準は変わることがあるため、最新の内容は必ず各公式サイトでご確認ください。
借入額を把握したら、金利タイプ選び。固定と変動、それぞれの向き不向きを比べます。




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